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川上幸之介 / パンクの系譜学

川上幸之介 / パンクの系譜学

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パンクとは常に問い、それについて行動を起こすことだ━━。音楽だけでなく、アート、思想、運動の側面からも「パンク」の根源に迫る画期的著作。

労働者階級の若者による現状への怒りからイギリスで生まれたとされるパンク。その叫びのルーツには、アナキズムやコミュニズムといった思想、そしてダダから脈打つ前衛芸術史も刻まれていた。

奴隷制からポピュラー音楽の誕生、その後のフォーク、スキッフル、ガレージ、パンクへの道のりに、シチュアシオニト・インターナショナル、キング・モブといった運動が交差し、セックス・ピストルズ以降に現れたOi!、クラス、ポジティブ・フォース、ライオット・ガール、クィアコア、アフロパンク、アジアのパンクシーン、そして橋の下世界音楽祭へとつながっていく。

パンクの抵抗の系譜を辿りつつ、正史の陰に隠れた歴史に光をあてる画期的著作。Punk!展、ゲリラ・ガールズ展ほか、話題の展示のキュレーションを行う研究者による初単著。松村圭一郎さん、毛利嘉孝さん推薦!

「日本語でのパンク論の決定版といえる」(増田聡さん/朝日新聞3/28)

 

パンクは、虐げられた者たちが世界を変える、反逆の声だった。リズミカルな文章でビートを刻み、150年にわたるパンクの系譜をスケーターのように滑走していく。この壊れかけた世界を生き抜く、すべての人のために。

━━━━松村圭一郎さん(文化人類学者)

 

パンクな研究者のパンクな記述によるパンクの歴史。すべての対抗文化運動はパンクへと通じる。

━━━━毛利嘉孝さん(社会学者)

 

興奮しつつ読んだ。(略)英語圏でのパンクの学術的議論を代表するグリール・マーカス『リップスティック・トレイシーズ』にも匹敵する、日本語でのパンク論の決定版といえる。(略)本書が描き出す「パンクの系譜」は、一つの音楽文化が、耳に聞こえるものを超えた社会的活動たりうることを示している。音楽とは単なる「音」ではない。本書のごとく秀逸な音楽書が提示するのはそのような認識である。

━━━━増田聡さん(朝日新聞3/28)

 

現時点で日本人によるパンク本の決定版。

━━━━高木完さん(Xより)

 

思想や社会的な位置付けやらその歴史も押さえて「パンクとは何か」ってのを評したもの。パンクと聞いて騒がしい音楽とか派手な服装しか思い浮かばない人が読んだら「そういうことだったのか〜!」と、びっくりする違いないし、パンク通の人にとってもすごくいろんなシーンの背景のことなどが書かれていて面白いと思う。(略)誰も知らないような情報も死ぬほど入ってる。これはすごい。

━━━━松本哉さん(「松本哉の適当な日記」より)

 

「支配と抑圧という概念が存続する限り、「パンクス・ノット・デッド」は常に例証され続けるだろう」

(「おわりに」より)

 

【目次】

はじめに

第1部 パンクの思想とその文脈

第1章 アートスクール

第2章 共産主義(コミュニズム)

第3章 アナキズム

第2部 パンクの音楽における系譜

第4章 アフリカ系アメリカ人の歴史

第5章 フォーク

第6章 スキッフル

第7章 ガレージ

第8章 パンク

第3部 パンクのアートにおける系譜

第9章 DADA(ダダ)

第10章 レトリスム

第11章 シチュアシオニスト・インターナショナル

第12章 キング・モブ

第4部 セックス・ピストルズ以降

第13章 Oi!

第14章 アナーコ・パンク

第15章 ハードコア・パンク

第16章 ライオット・ガール

第17章 パンクと人種

第18章 パンクとクィア

第5部 アジアのパンクシーン

第19章 インドネシアのパンクシーン

第20章 ミャンマーのパンクシーン

第21章 日本のパンクシーン

おわりに

著:川上幸之介
出版社:書肆侃侃房
発売年月:2024年3月
判型:四六判、上製
頁数:384頁

在庫あり

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