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佐藤八寿子『〈ていねいな暮らし〉の系譜 花森安治とあこがれの社会史』

佐藤八寿子『〈ていねいな暮らし〉の系譜 花森安治とあこがれの社会史』

通常価格 ¥2,970
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「モノ」から「モノ・ガタリ」へ

羨望と同時に嫉妬をもかきたてる〈ていねいな暮らし〉は、現代日本特有の文化なのだろうか。
花森安治の足跡から中華圏における流行まで、連綿と続く〈暮らし〉へのあこがれの社会史を追う。

***

〔…〕本書を準備している中で、この三つの椅子の偶然に出会ったとき、あらためて『暮しの手帖』巻頭に毎号掲げられている「これは あなたの手帖です」というメッセージを思い出さないわけにはいかなかった。

  すぐには役に立たないように見えても
  やがて こころの底ふかく沈んで
  いつか あなたの暮し方を変えてしまう

という花森の言葉が、期せずして筆者自身の〈暮らし〉の中で予言として成就していたことになる。ほらね、と言わんばかりの花森の得意気な表情が脳裏に浮かぶ。
 数十年前に記事を読んだ記憶も、椅子の名もメーカー名も産地も、新しく椅子を購入するときの筆者の念頭にはなかった。にもかかわらず、それを選んだ。つまり『暮しの手帖』が筆者の「こころの底ふかく沈」めていたものは、モノとしてのその椅子ではなく、そのモノの魅力について熱く語る花森の「モノ・ガタリ」だったと言える。形あるモノは滅びるが「こころの底」にしみこんだ「モノ・ガタリ」が消えることはない。
(筆者「あとがき」より)

〈おもな目次〉
第一章 〈ていねいな暮らし〉問題――花森安治のうしろ姿
第二章 『暮しの手帖』――彼のつくりだしたもの
第三章 花森安治の時代――そのとき、何を着ていたか
第四章 丘の上の赤い屋根――彼はどこにいたのか
第五章 神戸を歩く――彼はどこから来たのか
終 章 〈暮らし〉は、どこから来て、どこへ行くのか

刊行年月日:2025/05/15
判型:四六判 188mm × 128mm
造本:並製
頁数:288頁

在庫あり

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