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フランツ・カフカ (著), マックス・ブロート (編集), 谷口茂 (翻訳), 頭木弘樹 (解説) / カフカの日記【新版】 1910-1923

フランツ・カフカ (著), マックス・ブロート (編集), 谷口茂 (翻訳), 頭木弘樹 (解説) / カフカの日記【新版】 1910-1923

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〈日記を読んで心を動かされる。これは今のぼくに、もはや少しの確信もないせいだろうか? あらゆるものがぼくには仮構であるように見える。他人のどんな言葉も、ぼくがたまたま見たどんな光景も、ぼくのなかのすべてのものを、忘れていたものやまったく無意味なものですら、別な方向へ転がしてしまう。ぼくは前にそうだったよりも確信がなく、ただ生命の力だけを感じている。そしてぼくは意味もなく空っぽだ。ぼくは本当に、夜、しかも山のなかで迷ってる羊か、もしくはその羊のあとを追いかける羊のようなものだ。こんなに見捨てられていながら、それを嘆き悲しむ力を持っていないのだ〉(1913年11月19日)

カフカの研ぎ澄まされた五感が捉えた日常、それを受けとめるカフカの心の世界。書くことへの思い、フェリーツェはじめ女性への苦悩、父との葛藤、不眠の苦しみ、ユダヤ人社会のこと、詳細な夢の描写、さまざまな創作スケッチ… そのすべてはカフカの文学に連なり、それ自体が文学になっている。
新潮社版『決定版カフカ全集』(全12巻)の第7巻(1992)を底本に、日記文学の金字塔を、カフカ没後100年の2024年、新たに世におくる。

著:フランツ・カフカ
編集:マックス・ブロート
翻訳:谷口茂
解説: 頭木弘樹  
出版社:みすず書房
発売年月:2024年4月
判型:四六判
頁数:570頁

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